秘め事の森

王子様の森へのお供は、いつも決まって黒剣士・・・
国一番の剣の腕前は、父王様の信頼も厚く
その忠誠心は疑う余地も無いところ・・・

「貴方がいれば何も怖くないね。
ずっと、ずっと、傍にいて、
僕を守ってくれるでしょう?」

王子様の無邪気な問いに、無口な剣士は黙ってその指に口付ける。
・・・けれど、その胸の内には秘めた想いが沈んでいる。擁いてはいけないと、自らに戒めていたけれど・・・。

柔らかな指と潤む瞳の耐えがたい誘惑。
『心酔』と『信頼』の危うい線を踏み越えた物は一体、何・・・?