・・・黙り込む、お互いに・・・
もどかしく、疼きを伴う感情を持て余して・・・

剣士は身体の下の薄い胸に、未だ抱く王子への純真な想いを呼び起こして・・・

「・・・許してください。
私のことも、今ここであったことも忘れてください。
・・・王子様、どうか、お幸せに・・・」

「・・・私はこのまま旅にでます」

「・・・!!!」

「・・・行っちゃ、駄目!!!」

「・・・貴方は、僕の剣士でしょう?
僕をずっと守ってくれるのでしょう?」

「宝石も、馬も、剣も、僕の領地もあげるから、
だから、僕から離れないで・・・
・・・僕だけの剣士になって・・・」

王子様は一生懸命引き止める。
我儘な、子供じみた言い方しか出来なくて、思わず泣いてしまいそうになるけれど・・・